こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。

最近CMなどで”クラウドファンディング”という言葉を耳にする機会が増えたと思いませんか?

クラウドファンディングとは、
インターネットを介して不特定多数の人々から小額ずつ資金を調達する事を指します。

元々は2000年代のアメリカから始まり、日本では2011年から本格的に拡がっていき、
今やクラウドファンディングという言葉自体にはだいぶ馴染みがあるのではないでしょうか。

そんなクラウドファンディングには、小額から不動産投資を行なえる、
不動産投資クラウドファンディングというものもあります。

投資自体も不慣れなのに比較的新しいクラウドファンディングまで関わってくると、
もう何がなんだか分からないと思われる人もいるのではないでしょうか。

そんなわけで今回は「不動産投資クラウドファンディング」についてまとめてみたいと思います。

 


 1. 不動産投資クラウドファンディングとは


さっそくですが不動産投資クラウドファンディングとは、
インターネットを介して不特定多数の人々から資金を集めて不動産投資を行なうサービスのことです。

1つの物件に対してクラウドファンディングで資金を集め、
募集期間中に一定数の投資資金が集まれば運用開始となります。

そして得られる家賃収入や不動産の売却利益を投資金額に応じて投資家へと分配されます。

例えば自分を含めて5人の投資家が参加しているクラウドファンディングがあったとして、
自分は10万円で残りの方が20万円だったとした場合に配当は1(自分):2:2:2:2の比率となるわけです。

そして、運用が終了すれば投資元本が返還される
という仕組みになっています。

1人でマンションやアパートなどの現物不動産を購入しようとすると、
金融機関から借り入れしたり、まとまった資金調達が必要となりますが、
不動産投資クラウドファンディングなら1万円程度からでも投資できるので良いですね。

投資した物件への入居者との契約や物件修繕といった管理業務は運営側へ任せられるので、
自分で1つ1つ管理する必要が無いので手間がかからないという特徴もあります。



 2. 不動産投資クラウドファンディングのメリット


では不動産投資クラウドファンディングのメリットを考えてみましょう。
大きく4つあります。

まず前述したように小額からでも投資できることが挙げられます。
不動産投資クラウドファンディングでは1万円から投資可能です。

実際に物件を購入して貸し出す現物不動産投資となると、
物件購入費だけでも数百万円と高額ですし、定期的な管理費もかかってきます。
初期費用を見繕うために金融機関にてローンを組む場合も多いかと思いますが、
ローンの支払いを行ないつつ黒字化を目指さなくてはいけないので、
いくら利回りが良くてもなかなか始めづらいものですよね。

それが不動産投資クラウドファンディングであれば、
募集されている不動産の中から好きな物件を選び身丈にあった投資額で始められるので
初心者でも始めやすくなっています。

ただし事業者によって不動産クラウドファンディングの最低投資額は違うので、
事前確認はしっかり行なった方が良いでしょう。

次に現物不動産投資と比べて手間がかかりづらいこともメリットです。
これも前述通りですが、現物不動産投資であれば本来入居者との契約や物件修繕など、
不動産管理業務を自分で行なう必要があります。

賃貸管理会社に委託するという手もありますが、
それにしても管理会社とのやり取りは自分自身で行なわなくてはいけません。

それに比べて不動産投資クラウドファンディングであれば、
その辺りを全てお任せして、自分はインターネット上で投資物件と投資額を選び、
あとは分配金や元本の返還を待つだけです。

3つ目のメリットとして高い利回りが期待できることが挙げられます。
不動産投資クラウドファンディングの現状の利回りは4~7%が多く、割と高めの数値といえます。


不動産投資の方法平均利回り(年間)
不動産クラウドファンディング4~7%
現物不動産投資5~8%
J-REIT3~4%


こうやって見てみると現物不動産投資と比べてしまうと多少低いとはいえ、
銀行預金やJ-REITよりも高い利回りが設定されているので利益が出しやすいと考えられます。

最後に価格変動が少ないことも嬉しいメリットです。
投資として有名な株式やJ-REITといった金融商品では日々めまぐるしいほど価格変動が起きていますが、
不動産を対象とした不動産投資では価格変動が比較的少ないため、
長期的な投資を前提として安定した投資が行ないやすいと思われます。



 3. 不動産投資クラウドファンディングのデメリット


今度は不動産投資クラウドファンディングのデメリットについても考えていきたいと思います。
大きく5つにまとめてみました。

まず初めに知っておいて欲しいこととして配当がもらえない可能性があるという点があります。
あくまでも不動産投資になるので、
当然ながら投資先のマンションやアパートの入居者がいなくなると、
家賃収入が減ってしまったり、状況次第ではゼロになる可能性もあります。

1棟買いのマンション・アパート投資ならまだしも区分マンションが投資先の場合、
部屋が空いてしまえば家賃収入は一気に無くなってしまいます。

他にも、不動産投資クラウドファンディングは、投資先がマンションやアパートだけとは限らず、
投資先がホテルといった宿泊施設のケースもあります。
閑散期や今回のコロナのような社会情勢によって客の入りが悪いと配当も激減します。

クラウドファンディングとはいえあくまで不動産投資であることは念頭に置いておく必要があります。

2つ目のデメリットとして途中解約ができないことが挙げられます。

数ヶ月単位の短期間で繰り返し運用できるものもありますが、
長期間の投資先を選ぶと償還されるまで現金化できません。

投資した後に情勢の変化などで手を引きたいとなっても投資資金を取り出せないため、
大きな損失になりかねないので注意が必要です。

3つ目に事業者が倒産してしまう可能性があることがあります。

不動産投資とはいえ現物に投資するわけではなく
あくまでクラウドファンディング事業者への投資となるため、
事業者が倒産してしまうと出資金は全て無駄となってしまいます。

しっかりとした目利きも必要となってくるでしょう。

また出資金が満額償還されないリスクもあります。
特に不動産評価額が短期間で大きく下落すると出資金が償還されない可能性があるため注意が必要です。

最後のデメリットとして投資できない可能性があるという話をします。

「いやいや、投資する前提の話じゃないんかい」と思われるかもしれませんが、
不動産投資クラウドファンディングは、その利回りの良さや手軽さからとても人気が出ている投資方法なため、
人気の出やすい物件や安定しそうな事業者だと投資家が集まり過ぎて投資できなくなるわけです。

「でも不動産投資クラウドファンディングをやるって決めたんだ」と意固地になって
焦って投資先を決めてしまうと先ほどまでに説明したデメリットから大損しかねないので気を付けましょう。

 4. 現物不動産投資、J-REIT、不動産投資クラウドファンディングの主な違い


では現物不動産投資とJ-REIT、そして不動産投資クラウドファンディングにはどういった違いがあるのでしょうか。

不動産投資クラウドファンディングJ-REIT現物不動産投資
投資対象マンション、商業施設、ホテルなど多様マンション、商業施設、ホテルなど多様主にマンション、アパート
最低投資金額1万円程度数万円~10万円程度数十万円~百万円程度
流動性低い高い低い
日々の価格変動なしありなし
所得の区分雑所得配当所得、譲渡所得不動産所得、譲渡所得


ちなみにJ-REITとは
仕組みは不動産投資クラウドファンディングと似ていますが証券取引所に上場しているという違いがあります。
J-REITについては以下の記事で詳しく解説しています。

    不動産投資

REIT(リート)と不動産投資の違いは?





 5. 現物不動産投資(区分マンション投資)と不動産投資クラウドファンディングを比較してみる


本サイトでは区分マンション投資について様々な情報を掲載しているので、
現物不動産投資(区分マンション投資)と不動産投資クラウドファンディングのメリットを比較してみたいと思います。

○小額から投資できる点
投資額に関しては不動産投資クラウドファンディングの方が小額から投資できます。
とはいえ区分マンション投資ならローン完済後の不動産収入を老後資金に充てるといういわゆる年金対策や、
ローン契約者に万が一のことがあった時のローン完済制度(団体信用生命保険)など
長期的に見た場合のメリットが大きいです。

※記事「【初心者シリーズ】不動産投資は本当に生命保険代わりになる?」設置

○高い利回りが期待できる点
利回りに関しても不動産投資クラウドファンディングの方が一般的に高いです。

区分マンション投資では好立地・新築物件の方が
長期的にはメリットが大きいといわれているため利回りは低くなりがちです。

しかしながらローン利用すればレバレッジを効かせられるため、
少ない自己資金でも大きな利益を得ることが出来るというのが、
区分マンション投資の大きなメリットとなるでしょう。

    不動産投資

【初心者シリーズ】利回りって何ですか?



○現物不動産より手間がかからない点
これは区分マンション投資も管理会社に管理を任せることで、
自分自身はさほど手間をかけずに運用することは可能だと思われます。

○価格変動が少ない点
これは現物不動産投資も不動産投資クラウドファンディングもどちらとも変動は少ないです。
区分マンション投資も慎重に物件を選べば急激な物件価値の下落は起きにくいでしょう。

また不動産投資クラウドファンディングでは、途中解約ができないですが、
区分マンション投資では物件を売却することで手放して運用をやめるということも可能です。

ただしローン残債と売却価格の差額や買い手が見つからない可能性には注意しましょう。



いかがだったでしょうか。
今回は「不動産投資クラウドファンディング」についてまとめてみました。

小額で投資できるというのが何よりも魅力的なので
今後の不動産投資の勉強として調べて検討してみるのも良いかもしれません。

長期的に見るとレバレッジの効かせられる区分マンション投資の方がメリットは大きいと考えられますが、
投資スタイルによって特徴やメリット・デメリットを確認し、
比較した上で自分の性格や状況がどちらに向いているのか考えてみるのも良いかもしれませんね。