こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。
不動産投資に興味を持ったところで、難しいテクニックなど使わずに確実に利益を得たい!と思ったり、
不動産は価値が下がるから投資しにくいと考えたりしてしまうかもしれません。
しかし、初心者でも成功率を高められる投資方法を紹介したいと思います。
…と言ったところで、少し胡散臭そうな入りに聞こえるかもしれないですが、今回紹介したいのはアービトラージについてです。
アービトラージって聞いたことありますか?
なんというか雰囲気的にタージマハルと発音が似ていそうなので古くからある寺院のように感じる人が2割程度はいらっしゃるかもしれません。
いや、ぜひ僕の感覚と似た人がいて欲しいものですが、実際には取引方法の一種です。
取引方法というと難しそうですが、要は取引ルールが違う取引所において同じ商品あるいは類似商品の価格差を利用し利益を得る取引のことです。
主に株などで使われる用語ですが、不動産投資でもアービトラージは十分使えるのです。
長期保有で家賃収入を得るのではなく、主に売却益(キャピタルゲイン)を得るための手法になります。
そんなわけで今回は「アービトラージについて」なるべく簡単に説明していきたいと思います。
よろしくお願いします。
1. アービトラージとは?
そもそもアービトラージとは英語でArbitrageと書き、直訳すると“裁定取引”となります。
冒頭で伝えたように価格差を利用して利益を得る手法です。
もう少し詳しく言うならば、同じ価値を持つ商品の一時的な価格差が生まれた時に割高な方を売って割安な方を買い、
価格差が縮まったタイミングで反対売買を行なうことでリスクを抑えながら利益を得ることが出来るということです。
利ザヤを稼ぐと言ったりもします。
分かりやすい例で言うと、約400年前に日本では金1kg=銀5kg、ヨーロッパでは金1kg=銀15kgのレートで交換をされていたそうです。
燃料や輸送の費用が無いと仮定して話を進めますが、
金1kgを日本から持って行ってヨーロッパで銀15kgと交換
↓
その銀15kgをヨーロッパから持って帰ってきて日本で金3kgと交換
↓
その金3kgをまたヨーロッパへ持って行って銀45kgと交換
↓
・・・・・
あとは勘の良い方じゃなくてもお分かり頂けるかと思いますが、この方法を繰り返すだけで儲けを出すことが出来ますよね。
もちろんここまで単純すぎる話ではないですが、あくまでこんなイメージです。
つまり、同じ物をルールが違う場所や時期による価格差を利用して取引することで利益を生んでいくという話です。
主に株やFX等で使われる用語ではありますが、このアービトラージ、不動産投資でも応用することが出来るわけです。
2. 不動産における、同じ土地や物件の価格が変わる条件
不動産投資において、同じ物の価格差が発生する状況にはどういったものがあるでしょうか。
大きく3つに分かれます。
権利と空間と時間です。
○権利
これは権利関係が複雑であれば安くなる傾向にあります。
借地、底地、借家、共有、区分など権利が入り組んでいる状態がそうです。
逆にシンプルな単独所有など、権利関係が単純であればあるほど価格は高くなります。
○空間
用地や物件をそのまま売却すると安くなります。
大きな戸建て開発素地の単価や戸建て賃貸がそれにあたります。
逆に戸建て用地の単価やシェアハウスなど用地や物件を細かく売却することで高くなる傾向にあります。
○時間
月極駐車場や賃貸マンションのように期間が長くなれば安くなりますし、時間貸し駐車場やホテルのように期間が短くなれば高くなります。
これは何となく分かって頂けるかなと思います。
というわけで投資対象が上記のような「単純な権利関係で」「土地(物件)を細かく」「期間が短く」なった時に売却することで購入時よりも価格が上がり、
売却益(キャピタルゲイン)を得ることが出来るわけですね。
3. マンション物件でのアービトラージ活用例
前述した例が発生する代表例として区分マンションがあります。
どういうことか解説します。
マンションの市場相場は主に4つに分類されます。
・新築の実需市場相場
・新築の賃貸市場相場
・中古の実需市場相場
・中古の賃貸市場相場(オーナーチェンジ物件とも言います)
まず実需とは、マイホームとして購入する物件というイメージを持ってもらえればOKです。
さて新築の相場は中古の相場に比べて価格が高いのはイメージしやすいと思います。
さらに実需市場の相場は賃貸市場の相場よりも高くなります。
なぜかというと、賃貸物件は利回りで購入判断されますが、実需の場合は実際にマイホームとして住むことになるので、
お子様の学校・実家の近くに住みたいといった考えやご主人・奥様の好みなどのようなご家族の意見に左右されがちです。
つまり投資の利回りよりは主観的な感情の方が優先されるので価格に対しての許容度が緩くなりやすいといえるのです。
相場的には賃貸物件より実需物件の方が2割ほど高いといわれています。
僕のタージマハルと同じくらいでしょうか。
…冒頭をお読みください。
とにかく、特にファミリータイプの賃貸マンションは価格が安く、さらに子供の進学などでそのうちに自然退去する可能性が高いことも踏まえて、
どのような流れになるか見ていきましょう。
・賃貸中の中古ファミリータイプマンションを購入します。
↓
・しばらくは家賃収入で利益を上げることになります。
↓
・子供の進学などで住人が退去します。
※ここで権利関係が借家→単純な単独所有に切り替わる=価格が高くなる条件となります。
↓
・賃貸としてではなく、この物件を実需として購入したい人に売却します。
※なぜなら実需の方がより価格が高くなる傾向にあるからです。
資金に余裕があるならリフォームなど施して新築のようなキレイさを出せればなお良いでしょう。
つまり、賃貸マンションという価格が低い状態の時に投資家として購入し、
分譲マンションという価格が高い状態になったら自分で住む人向けに売却するわけです。
これがアービトラージ投資ということになります。
いかがだったでしょうか。
今回は「アービトラージについて」紹介してみました。
最後に紹介した不動産投資におけるアービトラージ活用例のメリットは、賃貸中の賃貸物件を購入するのでしばらくは家賃収入が発生して退去を待つだけ、
というインカムゲインを得る不動産投資の良い部分も兼ね備えているところにあります。
こういったように株や仮想通貨の取引に近いような感覚の投資方法も不動産投資には存在します。
出口戦略も兼ね備えたマンション投資ともいえるでしょう。
まだまだ奥が深い不動産投資です。
色々なパターンを学び考えて、自分に合ったより良い投資方法を見つけてみてくださいね。