こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。
不動産投資デビューを考えている方々向けに不動産投資についてお伝えしていく 、
【初心者シリーズ】と題して不動産投資について色々と考えていきたいと思います。
さて、バブル崩壊からつい最近までの日本では、
デフレが続いていてモノやサービスの値段が上がらずに下がり続けていき、
しまいには無料のモノやサービスをよく目にするようにまでなってきました。
しかしながら給料も当然上がることなく世間の財布は冷え込む一方で、
円の価値は下がらないという事情から貯蓄が安心と教え込まれてきたわけです。
そんな中でここ最近ではカップラーメンや小麦製品などを筆頭に日用品が値上がりしています。
生活必需品が次から次へと値上がりしており、
長い間デフレが続いていた日本がインフレに突入したといった意見もよく聞かれますよね。
「悪い円安」という言葉も聞いたことがあるかと思います。
インフレになると、よく言われるのが金利の上昇です。
“…ちょっと待った、金利上昇というなら不動産投資に関係ありそうじゃない?”と思われた方。
シャープな目の付け所をしていらっしゃいますね。
確かに不動産投資ローンや不動産価格にも影響しているといわれている金利ですが、
今回は「いったい金利とは何なのか?金利が上がった際にどういった対策が必要なのか?」
について解説していきたいと思います。
1.金利って何?
2.固定金利と変動金利
3.インフレって何?
4.金利が上がるのはインフレの時?
5.金利上昇による不動産への影響とは
6.金利が上がった時の対策とは
1. 金利って何?
金利と聞いてよく間違われるのが利子です。
混同されることも多いので違いを覚えておいた方が良いでしょう。
例えば金利3%で100万円借りて103万円返済したとします。
この場合、金利3%ですが利子はというと3万円となります。
あくまで金利は割合(%)です。
利子は金利から算出して支払う実際の金額(円)のことです。
つまり、金利が上がったり下がったりすることで実際の返済額が変わっていくというわけですね。
2. 固定金利と変動金利
その金利には固定金利と変動金利という2種類があります。
この違いも重要なので覚えておきたいところです。
○固定金利
固定金利とはローン契約時に金利が決定されるもので、
その後市場の金利が変動しても金利が変わらず返済額も変わらないタイプです。
固定金利の中にはローン契約時から完済まで金利が固定されるタイプと、
一定期間のみ金利が固定されるタイプがあります。
固定金利のメリットは金利上昇によって返済額が増えるリスクが無くなることでしょう。
逆にデメリットは一般的に変動金利よりも高い金利が設定されていることが多く、
結果的に金利変動がほぼ無かった場合に変動金利より返済額が多くなってしまうことが挙げられます。
○変動金利
変動金利とは市場の金利によって金利が見直されていき返済額も変わっていくタイプです。
契約時点では将来の適用金利が分からないため、総返済額も確定しません。
調査によれば、約67%の人がこちらの変動金利を選んでいることが分かっています。
変動金利のメリットは一般的に固定金利よりも低い金利に設定されていることが多く、
結果的に金利変動がほぼ無かった場合に固定金利より返済額が少なくなることです。
逆にデメリットは金利上昇のリスクがあるというわけですね。
また返済方法にも元利均等返済と元金均等返済という2種類があります。
○元利均等返済
借り入れた元金と利息の合計を均等に返済する方法で、
毎月の返済額は一定です。
○元金均等返済
残高に応じて毎回利息を計算し直した金額を返済する方法で、
元利均等返済と比べると最終的に返済する金額は低くなります。
3. インフレって何?
インフレ(インフレーション)とは簡単に言うと物価が上がることです。
対義語として物価が下がるデフレ(デフレーション)があります。
そこまで詳しくなくても何となくデフレは馴染みがあるかと思います。
さてインフレにより物価が上がることで通貨自体の価値は下がることになるのですが、
一般的には企業が増収し賃金が上がっていくので好景気のきっかけになるともいわれていて、
もしかするとインフレ=好景気というイメージも強いかもしれませんね。
インフレやデフレについて詳しくは以下の記事で詳しく解説しています。
4. 金利が上がるのはインフレの時?
というわけで金利やインフレについて基礎的な話をしてみました。
金利は様々な要因によって変動しますが、特に影響を受けるのが物価です。
では、直近の日本の物価上昇の理由は何でしょうか?
分かりやすい例が「ウクライナ危機の影響」です。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻ですが、
ウクライナは大規模な穀倉地帯を有していたために穀物の供給不足が発生し、
またエネルギーも供給不足になったため、原材料費や物流費が高騰したのです。
それにより様々な品目で価格が上昇しています。
Yahoo!ニュース|食品主要105社、6000品目超が今年「値上げ」 価格は平均で1割アップ 輸入小麦・油脂など原材料から、包装資材の高騰も響く
そしてインフレ時には金利が上がります。
その理由は、
物価が上がり過ぎる=通貨の価値が下がり過ぎるのを防ぐため、
中央銀行が政策金利を引き上げて民間の金利を引き上げようとするためです。
金利を上げることで企業の設備投資や個人の住宅、車などへの消費行動を控えさせて
商品価格を下げさせる方向に向かわせる、というコントロールを行なうわけですね。
5. 金利上昇による不動産への影響とは
では物価の上昇や金利の上昇で不動産投資にはどんな影響があるのでしょうか。
主に「ローンの金利」「不動産価格」の2つが挙げられます。
○「ローンの金利」の上昇
不動産投資を行なうにあたってローンを組む機会は多いでしょう。
金利上昇した実際の例として住宅ローンを参考にしてみます。
大手メガバンクが2022年4月に発表した5月の住宅ローンの固定金利は、
軒並み上昇していて、約8年ぶりの高水準となりました。
○「不動産価格」の上昇
不動産価格については2020年頃から既に上昇傾向にあります。
特にマンションの価格は戸建てに比べて上がり幅が大きいです。
こう見ると価格が上がっているから単純に不動産投資には不利なのかと思えそうですが、
必ずしもそんなことは無いかもしれません。
2つ理由を挙げます。
物価上昇時(インフレ時)は家賃が上がる可能性があるということと、
マンション価格が上がれば売却益(キャピタルゲイン)に期待が出来るということです。
初期投資は以前よりかかるかもしれませんが今後のインフレ予測という角度から考えてみても、
円だけではなく不動産という実物資産を持っておくのは資産管理において良い手段といえるでしょう。
インフレ時や今後の社会情勢を踏まえたお金と不動産投資の関係については、以下の記事で解説しています。
6. 金利が上がった時の対策とは
では変動金利でローン契約をしていて、
実際に返済中に金利が上がってしまった時はどう対策すればいいのでしょうか?
大きく4つあります。
○固定金利に切り替える
金利上昇を予想した時点で固定金利に切り替えればそれ以上、金利上昇の影響は無くなります。
しかし先述したように固定金利の方が高いですし、
金融機関も金利の上昇を予想したら契約前に固定金利を引き上げるかもしれません。
結果的に変動金利だった時よりも返済額が多くなるかもしれないので、
切り替えの判断は慎重に行ないましょう。
○ローンの借り換え
金利上昇したタイミングでローンの借り換えを検討してみるのも良いかもしれません。
ローンの借り換えとは簡単に言うならば
より低い金利のローンを組んでお金を借りて現在のローンを一括返済することです。
不動産投資が順調であるなら収益性の高さが評価されて、
より有利な条件で借りられる可能性もあります。
しかし手数料がかかってしまったり手間がかかるのは難点でしょう。
さらに金利上昇の真っ只中だと
結果的にあまり金利が下がらなかったという可能性もあり得ます。
○自己資金で繰り上げ返済をする
自己資金に余裕がある方にとって検討の価値があるのが繰り上げ返済です。
元金の一部または全部を当初の予定よりも前倒しで返済することです。
金利上昇時には毎月の返済額の上昇を防ぐために、
増えた金利分だけ返済額の元本に充てる割合を減らし、後ろにずらしていくという方法が取られます。
繰り上げ返済で後ろにずらした元本を返済できてかつトータルの返済額を減らすことができるわけです。
○物件の売却
金利が上昇していくということは物件価格も高まっている可能性があります。
そのため物件を売却し売却益でローン完済というのも戦略の1つです。
デメリットとして残積より売却益の方が低い場合は自己資金から出さないといけないことが挙げられます。
またそもそも買い手がいないと売れない=売却までに時間がかかる場合があり、
その間に状況が変わってしまい思うような結果にならない可能性もあるのでタイミングが重要ですね。
いかがだったでしょうか。
今回は「いったい金利とは何なのか?金利が上がった際にどういった対策が必要なのか?」
について解説してみました。
先ほどでも少し触れましたが、金利や物件価格が上がる中で不動産投資を始めるには
今までよりも初期投資はかかってしまうかもしれません。
しかし長期的な視点で見れば資産形成において、
不動産を所有しておくというのは有用な選択肢の1つといえます。
貯金だけではなく、これからは資産分散という観点で
不動産投資にも目を向けてみてはいかがでしょうか?